首振り機、Vector Expansion レビュー。 | 武log尊

首振り機、Vector Expansion レビュー。

 先日届いたTrackIR3のアドオンVector Expansionですが、無事アクティベーションに成功し、実際に使用する事が出来ましたので、スクリーンショットは無いですが、簡単に使用感などを書きたいと思います。

 まず、反射板(Vector Clip)についてですが、思ったよりもショボイです。3点に反射素材が貼られているだけで、なんか反射素材も薄っぺらいシールっぽいやつです。これ、剥がれたらどうすんだろ。保守用として予備が付けてくれてもいいような気がする。

 アクティベーションについては、非常に簡単で、TrackIRのサイト内のフォームから、必要事項を入力して、アクティベーションすればよいだけです。あとは、そのとき入力したメールアドレス宛に、添付ファイルでライセンスファイルが送られてきますので、それをTrackIR v4.0 or higherのソフトウェアをインストールしたフォルダ以下の"license"フォルダ内にコピーすればOK。
eg. c:\Program Files\NaturalPoint\TrackIR4\license\
(licenseフォルダへのコピー作業については、アクティベーション後、ライセンスファイルを添付したNaturalpointより送られてくるメールに、詳細が書いてあります。)

 次に、センサーの配置について。まず、VectorExpansionを使う場合、TrackIRのセンサー視野内に3dot収めなければならないため、センサーの位置は以前とは相対的に遠ざけないと、体を横移動した際にセンサーの視野外に行ってしまい、TrackIRから位置が認識できなくなります。ですので、1dotの時よりも相対的にやや遠めの位置に置く事が好ましいです。マニュアルには2~4feetってなっていたので、俺は80cmぐらいの距離にしてます。やや近いかも。

無事設置が終わったところで、今度は感度と動きの調整です。導入したてで、まだ調整が完全では無いですが、昨日使ってみた感じでは、以前に比べて、すこぶる良いという感じです。

Vector ExpansionはXYZ軸の検出を行い、体の軸を固定する為、センターずれや、不意の体の移動によっての、誤認識がほぼ無くなります。これによって、センターリセットは、ほぼ必要無くなるし、ステアリング操作時、前後左右の体のブレによる間違った視点移動がほぼ無くなります。今までTrackIR使用が実用的ではなかったRBRも、楽しめるようになりました。
050309追記:楽しめるようにはなりましたが、GTRやGPLと違い、固定画面の方が早く走れる為、現在はRBRでの使用は控えてます。慣れれば早くなる事も出来ると思うんですが・・・
これだけでも買った価値ありです。以前とは別物というぐらいに良い感じです。(誤認識のイライラが無い)

次にVectorExpansionに対応しているゲームのプレイです。とりあえずロールには対応していませんが、GPLをプレイしてみました。いやー非常に良いですね。安定感も去る事ながら、ズームによるサイドミラーの確認が出来る事が凄いです。体の前後左右移動がこんなにも新鮮だとは思っていませんでした。また、横移動によって乗り出す事が出来るので、1画面でも1.25画面分ぐらいの仮想画面が出来上がります。これが良いです。体を移動するだけで、画面の中心を移動できるのは、操作感に慣れればちょっとしたアドバンテージになるんじゃないでしょうか。まぁ3画面とは比較になりませんけどねw
050309追記:ズームに関してですが、結構前に乗り出さないとミラーを見る事などは出来ませんが、その辺は感度調整でなんとかなりました。ただし、あまり感度を良くしすぎると、今度はちょっとした前後移動でも、視点が安定しなくなるため、好みによって調整が必要のようです。また、こういったレースゲームの類では、ヨーの感度をデフォルト値より若干鈍くするのが良いでしょう。デフォルトでは、ヨー運動で真後ろまで見えるように調整してあるためです。レースゲームで、真後ろを見る事はなかなか無いですし(バックミラーありますしね)。

難点を一つ、それはセンサーの配置は、かなり気を使わないとダメだという事です。前後左右移動を行いながら、ヨー運動すると、簡単にセンサーの視野外に反射板が飛び出てしまいますから。
050309追記:ヨー・ピッチより、ロール運動の方が実はシビアです。この辺は、設定を煮詰めればなんとかなるかもしれませんが、ロールとヨーを勘違いして動いてしまう様です。たぶん、センサーの配置する高さに関係すると思われます。
050309追記:ロールについて、調整を行ってみました。センサーの位置ではなく、角度をちょうど反射板と正対するように調整してみました。すると、この問題は対処できました。6DOFを快適に使うには初期調整が非常に重要ですね。

総評としては、TrackIR3以上を持っている方は、導入する価値ありだと思います。少なくとも俺は満足しています。レースゲームはTrackIRが無くともプレイできますが、新しい楽しみ方として、このVector Expansionは非常に意義のある物だと思います。ゲームに関わるVRデバイスの、新境地を見たという感じで、非常に楽しいものでした。
(HMD使っていないので、本格的なVRデバイスとは言えないかもしれませんが、個人的にはHMD+HeadTrackerと比べ、高解像度・大画面が実現できるTrackIRは実用的だし、安価に実現できる身近なVRデバイスとして、お勧めです。)

とか偉そうに書いてみるw
以上!